ネトゲ廃人からびわ湖毎日マラソンへ

元ネトゲ廃人のサブ2.5ランナーによるトレーニング日記と、マラソンのトレンドで思うことを発信してます

福岡国際マラソンへの第一歩:第67回勝田全国マラソン

【データ】
第67回勝田全国マラソン
タイム:2時間32分57秒
順位:総合20位(総合入賞)
ウエア:ポポロT、ストライダープロショーツ、ブレステックPP、タビオレーシングソックス(それほど寒くなかった)
ジェル:サロモンソフトフラスク(150ml:ベスパPRO×1,ザバスピットイン×1)
シューズ:ミムラボカスタムシューズSPEED

 

【大会概要】
かーぜーにーなーれー♪のテーマソング(洗脳ソング)でおなじみ勝田全国マラソン
コースプロファイルはフラットに見えるけど,実は細かいアップダウンが後半に固まっていて後半つぶれやすい典型的なコース。しかも前半,海沿いを北上する上に風を遮るものがないため,風の影響ももろに受けやすい長い直線があったりするんで,抑えても後半まで足がもたないことも多々ある。あと大きな通りの車道が多いのだけど,整備がちゃんとされていないのか目に見えない凹凸も多いのでつまづかないように注意が必要となる。
気象条件としても,時期的に北風が吹きやすく,厳冬期なんでなかなか厳しい。ただし,雨が降ったことがほとんどないという奇跡の大会。
ネット上ではタイムが出やすいなんて意見も散見されるけど,リアルではこのコースで記録出せるならほかのコースではもっといい記録出るわ!という声しか聞かない
こんな厳しいレースにもかかわらず,意外と少ない1月の大規模かつ東京近郊の大会なんで15000人規模がエントリーする人気大会である。
自分もこのビッグウェーブに乗らなくてはということで5年連続5回目の出場となる。
いや、出過ぎだろ。

 

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【レース目標・戦略】
5回目ともなるとなれたもんで,レース戦略を以下のようにたてていた。
・7〜15キロの北上する直線は北風の影響をもろに受けやすいので,それまでに風よけの集団を見つけてついていく。
・これ以降は単独走でも問題ないので,好きなように走る。
・33〜34キロ付近のラスボス3連坂で一気に体力を持って行かれるので,そこで出し切れるように直前で回復,もしくはそこまで温存する。
・35キロを超えたらロングスパート,こっから先はボーナスステージ。
これで最低2時間35分切り,できたら20位以内の総合入賞+2時間30分切りを目標にしていた。
例年だとこんな感じでだいたい間違いはない(と思っていたが、結構間違っていると指摘された)のだが,今回については走った人ならわかると思うが,

全 部 外 れ た

以下詳細。

 

 

【レースレポート】
今年は前日まで強風予報だったのだが、蓋を開けてみたらスタート時はほぼ無風,しかも日差しがあり,この時期にしては暖かい絶好のマラソン日和。いつもなら寒くてさっさとスタートしてくれと震えているのだが,日差しが強くて首筋が暑いぐらいだった。
これは勝つる!
ブロックスタートなので,号砲が鳴ってもそれほどの渋滞はなく(若干ほんとにAブロック?と思うようなペースの人が流れを遮ってたけど),スムーズにスタート。
大通りに出てすぐに,ちょうどいいペースの赤いシャツの大学生ぐらいの集団が4人で併走しているのを見つけ,すーっと後ろからガンストーカー開始。
ごめんね,おいちゃん遅いからごめんね,なんて思いながら,躊躇なく風よけにさせてもらう。ゴール後にわかったことだが,この集団,中央大学の長距離ブロックの選手だったらしい。

 

5キロのラップは18分26秒。若干想定ペースよりも遅いものの,ペースメイクしてもらっているし,立ち上がりとしては上々だろうと判断。
いやー,若い子に引かせちゃってなさけねー。
と思いつつ,直線にさしかかるところだったので前には出ないで息を潜める。
……直線にさしかかっても風がねえ。
前に行くべきかこのままか迷ったものの,当初の戦略どおり直線区間は我慢してじっとついていく。
10キロのラップも18分26秒。このころには赤シャツ集団を先頭とした15人ぐらいの大集団ができ,「大学生の子たちに引かせるおっさん集団」という最悪の構図ができていた。
とはいえ自分的には余裕もあり,15キロ通過した時点でこのままだったらペースアップして飛び出しちゃおうとか考えていた。

 

ところが,12キロ地点から風が出始め,走りづらくなる。
やっぱこの直線は集団の後ろにいて正解だったか,と考えたのもつかの間,あることに気づく。
あれ?真正面からじゃなくて,西側から風吹いてね?
じんわり感じる嫌な予感,というかほぼ確信。

西 風 だ !

例年だと北風が強い(と思っている)のだが,今年は北西,しかもほぼ西の方角。
住宅街に入るので風の影響は弱くなるが,この直線はもう少しペースを上げても良かった。
前半の最大勾配であるアップダウン(というかこのへんそれほど疲れてないしあっさり上れてしまう)も難なくクリアし,15キロ地点にさしかかる。
ここの通過ラップも18分26秒。そろそろおれも動くか,なんて考えていたときだった。
ここでレースが動いた。

 

赤シャツ集団がちょっと先頭で話し合ったな,と思ったらペースアップ。
ちょうどペースアップしようとしていたときだったとはいえ,想定以上のペースアップでおっさん集団が一気に振り落とされる。
というか,赤シャツ集団も1人振り落とされた。
残ったのは大学生3人におっさん2人,しかももう1人はCナンバー。
もうこっからは必死。ほんと必死。最後にペースアップしようかなーなんてほんと無理。
20キロの通過が17分46秒。5キロ40秒も早くなってやがる!
振り落とされても最後にペースアップすればいいと頭によぎるんだけど,落ちたらずるずるいっちゃいそうで落ちれない。というか風も強くなってきて,落ちたらどこまでも落ちていく想像しかできない。30キロからペースアップしようなんてナマ考えてごめんなさい,ほんとすんません,でも振り落とされたくねえええええ!と赤シャツ集団に心の中で謝り続けるぐらい必死だった。
割と走りにくいところもあって,何度かつまずきそうになりながらもついていく。
25キロの通過は17分45秒。陸橋のアップダウンで一気に乳酸が溜まって足が重くなるのを感じる。
このあと,監察という車を断続的に3台も抜かす。というか女子の1,2,3位がだいぶ間隔空いていたので,まだ前にいたんか!?と思った。
この後、30キロ付近でついに集団から遅れ始める。というより,三連坂対策で体力回復に努める戦略的ペースダウン。
このときラップを見ていなかったのだけど(30キロ通過が1時間48分台というのは見ていた),あとで調べたら17分28秒とかだいぶ無理ゲーなラップを刻んでいた。
この時点でようやく35分切りをほぼ確信,33分切りもワンチャンあるのではないかと思い始める。

 

この後、それまで抜かしてきた集団に一瞬抜かれたものの、我慢して温存する。
結局その集団もすぐに落ちてきたし,温存したため三連坂もあっさりクリアでき,さらに先行していたはずの赤シャツ集団も一人落ちてきたのを拾えたので,落ちるタイミングとしては正解だったのかもしれない。
ここからラストスパートで一気に行く……予定だった。

 

35キロの通過は18分18秒。ここからは何も考えずにロングスパートをかけるだけと決めていたので,後先考えずにペースを上げる。
実はこのとき33位と声をかけられたので,20位入賞の方は無理だろうなあ,とあきらめていた。
すぐに3人抜かし,30位まで浮上したものの,あと10人と考えると前との間隔は絶望的に空いている。
もう35分切れるしいいじゃないか,ペース落として楽しよう。
頭の中でそんな言葉が聞こえてくる。

 

……それ,35分切れなくなるやつや!

 

やばいわー,ここで落としたらやばいわー。そうでなくても板橋でギリギリいけると思ったらいけなくて,富士山でも40分切れればいいやと思って切れなかったんだから,ここで落としたらあかんわー。
めげそうな気持ちを無理矢理奮い立たせ,限界まで追い込む。
交差点を曲がり,ついに大通りの直線に出た!

 

強 風 ☆(向かい風)

 

何この向かい風,嫌がらせなの?
真っ正面からだし長い直線だから遮るもの何もないじゃないすか!?
苦行もいいところだよね,しかも前遠いし。
向かい風でほとんど前進んでる感じがしない,というかこれキロ4ぐらいまで落ちてない?(たぶん落ちてる瞬間あった)
もう歩いてしまおうかと思うぐらい気持ちがめげるものの,ここまで積んできた練習を考え,ここで落として後悔だけは絶対したくない!という気持ちだけで持ちこたえる。
目標物がないと気持ちが切れそうなので,とりあえず遠くに見える赤シャツの人をマーク。というか,あれ赤シャツ集団の一人やん。もうちょい前にもう一人赤シャツの人が見えるが,その人はなんとなく赤シャツ集団っぽくないんだけど,とりあえずこの二人をロックオン(実は知り合いだった)。
交差点があるたびにランナーに左折しろー左折しろーと願うも全然曲がる気配なし。
40キロ過ぎでパスした人が,若干ペースアップして抜かし返してきたので,これ幸いとばかりに風除けにさせてもらい,少しだけ後ろにつかせてもらう。
もう気分的には限界だよねー,ちょっと曲がるまで休ませてー,なんて考えてのことだった。
実はこの采配が,重要な要素をにぎっていた。

 

大通りを抜けると残り1キロもなくなる。
ここは遮蔽物があるため風もそれほど気にならなくなるので,もういっちょスパートをかけた(というか今回だいぶいろんなところでペースアップしている)。
風除けに使っていた人を無慈悲にかわし,一気に離すと同時に前を走る赤シャツを追う。
抜かしても抜かさなくてもさほど順位の変動もないんだけど,意地だよな!と思うものの,広場の入り口まで来てもまだ微妙に2歩ぐらい前にいてなかなか追いつけない。
入り口のカーブを抜け、ゴールの時計が目に飛び込んできた。
時間は2時間32分……44秒!?

 

33分切りいけるか? うわ,すっげー微妙! というかこっからゴールまで15秒でいけんのかよ!? 100メートル以上あるだろこれ,あーでもあとここまできたんだしあと15秒前後だし行くしかねーか,行くしかねーな,いったれや!(この間0.1秒)

 

もう一段階ギアを上げる。
赤シャツも同じタイミングでギアを上げる,というか向こうはさすがに若いだけあって,一気に離される。
とはいえこの時点では競うもへったくれもないんで,こちらもいかに離されようが関係なく駆け抜ける。
ゴールタイムを見たら気が抜けるか心が折れるかしそうだったので,ゴールラインだけを見据えてひたすらダッシュする。
青い計測シートを駆け抜け,ガーミンをストップ!

 

タイムは……2時間32分57秒!

 

時計のタイムを見た瞬間込み上げてきたのは,達成感ではなく安堵だった。
2017年,3年間の停滞を経て初めて40分を切った時は最後まで競っていたY田さんと喜びをわかちあった。
今回は喜ぶよりもとにかくほっとした。
2018年の勝田,板橋とわずか15秒切れなかった35分。
2019年はターゲットレースを勝田一本に絞り,8月から約半年練習に当てた(途中トレイルレースでうまく走れなかった週はあるけど)。
正直言えば,1月入るまでは30分切りもいけるんじゃないかなーと妄想してたけど,さすがに1週間前の20キロレースで70分切れなかった時点でそれはあきらめた。
それでも35分は絶対切れると思っていた、いや、切るしかなかった。

 

この後がないから。

 

今期のフルマラソンはこれが最後。この後青梅マラソンがあるけど、ここで35分切れなかったら、どう調整かけても福岡国際マラソンの標準記録(1時間45分)を切れるわけがない。それに35分を切れたとしても、標準記録がいつ切り上げられるかもわからない状態なので、安心できるわけではない。この次切り上げるとしたら33分か32分のどちらかだろうから、33分を切っておけば切り上げられても出場できる可能性はだいぶ大きくなる。
半年の練習の成果で35分ギリギリ切れる程度にしかならなかった、という事態が避けられたことも安堵した理由の一つだ。
まあ、何はともあれ、良かった……。

 

と肩の力を抜いていたところに、突然声をかけられる。
サングラスをかけていて一瞬誰だ?と思ったのだが、サングラスを外してようやくわかった。行田ウルトラリレーマラソンでいっしょだったY下さんだ。
実は赤シャツの前にいたもう一人の赤シャツ(えんじ色なんで微妙に違うらしかった)がY下さんだった。みんな赤シャツだ。
自分の5秒前にゴールしていたらしい。
自己ベスト・50代1位とのことだが、ものすごいとしか言いようがない。
まあ、自分は総合入賞もしてないし、また25位ぐらいかなーと思いつつ、とりあえず確定タイムを楽しみに2人で記録証を取りに行く。
時間はぴったり2時間32分57秒。おー、完全にガーミンのタイムストップと同じとか珍しいな。
さて、順位はいくつかなー……あれ?

 

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総 合 20 位 ?

 

え? あれ? おれあそこから13人も抜いてないぞ?
あとあと調べたら、35キロ地点で27位だったらしく、そっから7人抜いてたらしい。
入賞は諦めていたのに大通りの直線の最後で一瞬だけラストスパート用の体力を温存したことが、結果として入賞につながった。
というか10キロ地点で81位なんで、60人以上抜いてるぞ、おれ。

 

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ちなみに入賞商品はこんな感じ。サザコーヒーのコーヒーセットがあるのがとても嬉しい。

いばらきゆめ国体の参加賞っぽいタオルがあったのはなかなか衝撃だった。

流用感はんぱねえ

 

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8月10日から、約半年かけて取り組んだフルマラソンはこのようにして幕を閉じた。

 

さて、次は青梅マラソン、UTMFとあるのだが……正直、どちらも勝負レースにするには練習や調整の期間が短すぎるので、6月まではスピード強化を中心に据えつつ、6月前後で5000のレースで15分台前半をねらっていこうかな。
もちろん2019年メインレースは12月の福岡国際マラソン
6月からは福岡国際マラソンに全振りするぞ!